2010年8月
第1回 TOKYO ULTIMANIAでのLive
【囚われの館】 ~調教師~番外編
[PROLOGUE]
女は囚われの身であった。
ごく平凡な生活を営んでいた女が、ある日突然囚われの身となり、気が付けば男の奴隷として飼われていた。
謂れのない凌辱。
何不自由しなかった過去。
平凡だが、幸せな毎日に突然現れた暗い暗い落とし穴。
来る日も来る日も、不条理な責めと辱めの数々に涙する日々・・・
しかし、その辱めに少しずつ反応していく自らの身体に、驚きと共に激しい嫌悪の情を抱く。
このままでは――。
このままでは、いつか……。
女はついに逃げ出すことを決意した。
ほんの一瞬の隙をつき、その命をかけて――。
迷路のように入り組んだ広い屋敷の中を……。
後ろからは、絶望の跫を響かせながら男の気配が迫る。
長い廊下の突き当たり、その部屋は一際重厚な扉で塞がれていた。
“お願い”
僅かな希望を胸に、自由への扉だと信じて、女はその重い扉を開いた。
その部屋にはどこにも身を隠せる場所などなく、ただ怯えて蹲る
あっけなく見つけ出され
階段の上まで追い詰められていく
囚われ、両の手首を固定される
捉える者
捉えられる者
その心は絶望の淵に
大きく脚を広げられ
宙へ
更に大きく
そして紅い蝋燭を
容赦なく降り注ぐ
逆さ
全てを冷徹に見据える
そして背面
忍び寄る鞭の影
容赦なく叩き込む
その顔を覗き込み
その口を開かせる
言葉はいつでも魂を揺らす
更には脳内を
恐怖の表情と残酷な蝋の刻印が奴隷であることを認識させる
一気に降ろして抱きかかえる
急激に逆流した血液が脳内を強烈にシェイクする
更に自らの意思で立つことを要求
私の目を見なさい
決して逸らす事ことなく
覚悟を示せ
震える唇
縋り付く瞳
身の程を知り、自らの意思でリードを取り、首輪へと繋ぐ
這い進み
その舌で
決して抗えぬ者への忠誠を示す
頭を踏みつけ
知らしめる
リードに引かれ、地獄への階段を一歩、また一歩
闇の世界へと連れ戻されていく
model 涼
photo yoshida-h